コラム 11月

Tere!(テレ=エストニア語での一般的な挨拶)

 

はじめまして、yourmarks.inc でコラムニストとして記事を書かせていただくことになりました、エストニア在住の菱田と申します。

これから毎月エストニアでの暮らしや季節の行事などについてコラムを執筆させていただきます。

このコラムがきっかけとなって、みなさまにエストニアのことをよりよく知っていただければと思っております。

 

記念すべき第一回は、エストニアに在住している私がいろいろな人から良く聞かれる質問に答えていく、“Q & A方式” で進めていきたいと思います。

 

それではどうぞ!

 

Q.1  エストニアってどこにあるんですか?

A.1 日本からロシアを挟んで西側に位置しています。首都タリンは、フィンランドの首都ヘルシンキから75kmほど南に位置しており、北海道からさらに北に1300kmほど北の緯度に位置しています。国連の分類ではスウェーデンやノルウェーと同じく、北ヨーロッパに分類されるエストニアですが、バルト三国の一国としても知られています。

 

Q.2 気候はどんな感じですか?

A.2 基本的には日本より寒く、冬はマイナス25-30℃ほどになることもしばしば。
ですが、ほとんどの家庭ではオイルヒーターやラジエーターがあるので屋内にいる分には、あまり寒さを感じません。
夏は湿度が低くカラッとした心地よい気候ですが、近年では35℃の猛暑日になる日も出てきました。エストニアでは商業施設や一部の家庭を除きエアコンの使用が一般的ではないため、扇風機やエアコンの需要が増えてきています。

日本と同じく、エストニアにも四季があり、なんとエストニアでは季節毎に変わる首都というものがタリンとは別にあります。(余談ですが、秋だけは季節の首都がありません…)

エストニアの季節と気候についてはまた別の機会に詳しくまとめたいと思います。


写真は昨年の11月下旬、タルトゥのエマヨキ(Emajogi=ema(母)+jogi(川))の写真です。
11月下旬ごろになると、雪が積もり始めます。

 

Q.3 言語は何語ですか? 英語ですか?ロシア語ですか?

A.3 公用語は、“エストニア語“になります。
エストニア語は、他のバルト三国やスウェーデン語に代表される北ゲルマン語とは違った言語グループで、フィンランド語に一番似ている言語になります。
他の北欧諸国と同じく英語を流ちょうに話せる方も大多数ですが、地方や高齢者の方には英語を話せないという方もいます。
ソビエト連邦に編入されていた過去があるため、いまも5人に1人はロシア語を話すロシア系国民が多いのも事実。国語としてはエストニア語ですが、特にロシアに面している東側、国境の町ナルヴァ(Narva)などの地域によってはエストニア人が少数派になっており、エストニア語がほとんど話されていないところもあります。

サレヴェレ(Särevere)というところにある、エストニア語と英語で書かれた‘バルトの鎖’の記念碑の案内版です。

エストニア語には、英語のアルファベットにはない “Ä”、“Ö”、“Ü”、“Õ”があります。 他の“Ä”、“Ö”、“Ü”は、ドイツ語のウムラウトや、フィンランド語でも使われるものですが、中でも“Õ”は特別な存在でエストニア語でしか使われません。

 

Q.4 エストニアではどこに住んでいますか? 首都タリンですか?

A.4 今は、エストニア本土のほぼ真ん中ユケヴァ県(Jõgeva maakond)にあるプルッツァマー群(Põltsamaa vald)のピシサーレ村(Pisisaare küla)のアパートに住んでいます。
最初はタリン市内または近郊に引っ越したかったのですが、家賃や住環境を考えると地方の方がメリット多く断念… 少し不便な場所ですが、車があれば生活には困らないところで満足しています。

首都タリンと南にある第二都市のタルトゥ(Tartu)をつなぐ高速道路のような国道(Tartu maantee E263号線)が近くを通っているので、高速バスも利用できる便利な場所です。

エストニアに2022年11月に移住後、国内で3回引っ越しして現在の場所になりましたが、また半年以内に引っ越しする予定になってます。

 

Q.5 エストニアのご飯はおいしいですか?

A.5 全てとは言えませんが、一概にはおいしいものが多いと思います。(個人的に私自身フィンランドでの在住経験がありますが、フィンランド料理よりエストニア料理のほうが好きです)
様々な国から占領された過去を持つエストニア料理の基本として、いろいろな国の料理が混ざって今日のエストニア料理を構成しています。

エストニアに古くから伝わる料理、デンマークとスウェーデンから影響を受けた料理、ドイツ騎士団から影響を受けた料理、第二次世界大戦中からのロシア帝国―ソビエト連邦への編入から影響を受けた料理、近年になってフィンランドを筆頭に他の北欧諸国から影響を受けた料理…などなどと、一か国で様々な国の料理が楽しめるグルメな国になっています(笑)

ラトビアとの国境の町 ヴァルガ(Valga)のレストランLILLIで食べた、ドイツ料理のシュニッツェル

ドイツ版とんかつのようなもので、サワークリームをつけて食べる、エストニアで最も人気のあるドイツ料理の一つです。

 

Q.6 家族、お仕事は?

A.6 エストニア人の妻と、二人の娘がいます。
仕事は自営業で、エストニアとフィンランドのサウナ関連の商品を日本に輸出販売しています。

 

以上、個人的に良く聞かれる質問6項目に回答してみました。

 

回答してみたものの中には、まだ説明が書き足りないものがあるので、それらに関してはまた追ってコラムとして執筆させていただこうと思います。

 

それではまた次回のコラムで、

 

Nägemist! (ナゲミストゥ=エストニア語でのさようなら)

ヘルシンキ行のフェリーから撮った旧市街